発想の転換 2014 7 5

 多くの日本人がアメリカ合衆国憲法を知らないように、
アメリカ人も日本国憲法を知りません。
 ましてや、日本国憲法の特殊性など知るはずもなく、
「日本の憲法も、欧州諸国の憲法と同じようなものだろう」と考えてしまいます。
 だから、普通のアメリカ人は、こう考えるでしょう。
日本が紛争に巻き込まれた場合は、自力で戦うべきである。
 もちろん、日本が苦境に追い込まれた時は、
友人として、アメリカは、戦地に駆けつけて支援する。
 アメリカが守るべき国は、中小の国であって、
日本のような超大国を守る必要はない。
 経済力においても、工業力においても、
日本は、世界トップレベルではないか。
 金融の面においては、
日本は、世界最大の債権大国と言われている。
 このような超大国を、なぜアメリカは守る必要があるのか。
自分の国は自分で守るのが、世界の常識ではないか。
 さて、これを読んで、皆さんは、どう思ったでしょうか。
日本の経済力や工業力を考えれば、
日本がアメリカに次ぐ軍事力を保有していても不思議はないでしょう。
 本来であれば、軍隊を持つことができないような貧しい国々を日本が守るべきです。
世界には、貧しくて軍隊を持つことができない国があるのです。
そういう国を守るという発想が必要です。
 しかしながら、今の日本人は、自己中心的で、
「自分さえ安全ならば、中小の国は、どうなっても関係ない」と考えがちです。
 アメリカが世界の警察官をやめた今、
日本人は、発想の転換を考えるべきです。
 さて、多くの日本人にとって、
ペルシャ湾は、はるかに遠く感じられるでしょうが、
そのペルシャ湾が、日本の運命を左右するでしょう。
 日本人は、「浦島太郎」です。
いまだに竜宮城で極楽の日々を送っていますが、
そうしている間に、世界は、激変しているのです。

ペルシャ湾 2012 11 4
 将来、アメリカから、
「ペルシャ湾は、日本が自力で守れ」と言われる日が来るでしょう。
 現在、ペルシャ湾は、バーレーンに司令部を置く、
アメリカ第5艦隊(空母を含む)が守っていますが、
この体制が、いつまで維持できるか。
 アメリカは、いつの間にか、原油輸入の多様化を進め、
原油の中東への依存度は、かなり下がっています。
 やがて、アメリカは、中東なしでも、
原油も天然ガスも輸入先に困らないということになるでしょう。
さらに、今、アメリカは、シェールガスやシェールオイルで盛り上がっています。
 これは、もしかすると、禁断の果実を口にしたかもしれませんが、
いずれにせよ、アメリカの国内資源は有力です。
つまり、アメリカの中東への関心は下がっていくでしょう。
 問題は、アメリカの納税者の動向です。
「巨額の税金を使って、アメリカ第5艦隊を駐留させているが、
これは、税金の無駄遣いではないか」という声も出てくるかもしれません。
 そうなると、いったい、どこの国が、
ペルシャ湾の原油や天然ガスを最も利用しているのか。
つまり、最も恩恵を受けている国が、ペルシャ湾を守るべきではないかとなるでしょう。
その国とは、日本です。
 相変わらず、日本の政治家は、天下泰平の日々を過ごしているでしょうが、
本当に、のんびりしていていいのか。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と言うでしょうが、
はたして、それでアメリカの納税者を納得させることができるのか。
 世界は、刻々と変わりつつあるのです。
にもかかわらず、日本の政治家の頭は、終戦直後のままです。































































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